2010.12.12 Press - Six
©Tatsuo Miyajima Office 'Time Train to the Holocaust'
今回は国際的なアーティスト宮島達男を迎え、日本で初めて紹介することとなるインスタレーション作品「Time Train」展を開催します。
1932年から1945年までの間、実際にドイツで走行していた列車のモデルに青く明滅するLEDを搭載して、始発駅も終着駅もない、あたかも永久に走り続けるかのような作品「Time Train to the Holocaust」は、ドイツのレックリングハウゼン美術館で開催された個展「Time Train」(2008年)に出品以来の発表となります。
この作品は、アーティスト宮島達男の世界観や死生観をより濃密に浮かび上がらせることになります。さらに展覧会会場を縦横に列車が走り回るという前代未聞のインスタレーションは、現代美術の枠組みを超えて今までチャレンジングな試みを行ってきた Six の姿勢と同調するものです。
この作品のモデルとなった列車は、ドイツの暗黒時代ともいうべき第二次世界大戦において大きな役割を果たしたのです。産業革命以来、蒸気機関車の発明は、時間と速度、距離における概念を大きく変革し、地政図までも書き換えました。その後、この列車はドイツの歴史的暗部とも言うべき終着駅アウシュビッツに辿り着くこととなります。
本作品「Time Train」のLEDはあたかも生と死の間を彷徨う魂を表象しているかのようです。しかし、宮島達男は単に歴史的、政治的メッセージに止まらず、人間にとっての普遍的テーマ「生と死」をメタファーとして作品表現へと昇華していきます。本作品は、輪廻転生や生命の循環を示唆しており、「死」を否定的に捉えるのではなく、むしろ生命サイクルのひとつとして位置づけております。
- - - - - - - - - - - - - -
宮島達男/Tatsuo Miyajima プロフィール
1957年東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。1980年代半ばからデジタル・カウンター作品を発表し始める。発光ダイオード(LED)を用いて1から 9までの数字を使ったデジタル・カウンターの作品を国内外で発表。 1988年にベニスビエンナーレのアペルト部門への参加を皮切りに、広島市現代現代美術館(1990年)、ヘイワードギャラリー(ロンドン、1997年)、東京オペラシティ(2000年)、アート・ソンジェ美術館(韓国、2002年)、ローマ市立現代美術館(2004年)、水戸芸術館現代美術ギャラリー(2008年)など国内外での重要な現代美術展にて個展。 1999年にはベニスビエンナーレの日本館の作家に選出された。 ロンドンのテートギャラリーやミュンヘン州立近代美術館、東京都現代美術館などに作品が所蔵されているほか、 六本木ヒルズ内のテレビ朝日外壁やベネッセアートサイト直島、東京オペラシティ、リウム美術館(韓国、ソウル)などパブリックアート作品も多い。 また、第2次世界大戦中に長崎で被爆した柿の木の木の実から取り出された種から生まれた苗木を世界各地に植樹する「時の蘇生—柿の木プロジェクト」の発起人。現在、東北芸術工科大学副学長。
=========================================
宮島達男—Time Train展
【会期】
2010年11月3日(水) - 12月29日(水)
【会場】
「Six」
大阪市中央区南船場3-12-22 心斎橋フジビル 2F
06-6258-3315
営業日 火曜日〜日曜日 12:00〜19:00
休業日 月曜日(月曜日が祝日の場合は営業)
opus-design.jpは、デザインという側面から物事を再編集する、新しい感覚の情報サイトです。「人・場・モノ」の3つのカテゴリーを軸に、関西のクリエイティブ情報をお届けします。
Management
OPUS DESIGN Inc.
Phone 06 6125 1556
Facsimile 06 6125 5598
contact@opus-design.jp
Support
ECS Co.,ltd / miranda.co
------------------------------------------
OPUS
make field.