地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わるstudio-L。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザイン、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多く、日本中でひっぱりだこに。いったいどんな感じで仕事しているのでしょう? 水都大阪の取材も兼ねて、事情聴取に行きましたよ!
インタビュアー:狩野哲也(以下、カノ)
扉をあけるとここは大学の研究室ですか?両サイドが本棚だらけじゃないですか?
本棚がぎっしり並ぶ部屋にしたかったんです。オーストラリアに留学していたときのことですが、日本の大学のように学生がたむろする部屋が用意されていないので、メルボルン市内に広い部屋を借りて、20人くらいの学生仲間を募って、そこに各人が机や本棚を配置して、デザイン演習の課題をやったり、デザインについて議論したりしていました。そういう部屋のことを「studio」って呼んでいましたね。そのスタジオで一緒に勉強していた仲間たちの勉強量が半端じゃなかったんです。その部屋を実現したいと思ったんです。
それでstudio-Lなんですね。学びながら働くとは山崎さんの生き方そのものが働く現場に反映されている気がします。今度の水都大阪ではどんなお仕事をされるんですか?
僕が水都大阪フェス2011で関わっているのはネットワークプロジェクトとレポーターズプロジェクトとサポータープロジェクトです。
レポーターズブログ http://www.osaka-info.jp/suito2011/blog/
ネットワークプロジェクトは大阪府内で活動しているNPOなどに声をかけて水都大阪でプログラムをしていただく試みです。今回の水都の4ディレクターで言えば、泉さん、永田さん、忽那さんそれぞれのネットワークで何かやろうとすると、外からの見え方として、"水都コミュニティ"の人たちがやっているように見えてしまうと自分には関係ないと思われてしまうので、自分たちの知り合いでなかった人たちを誘ってこようとしました。
例えば普段から将棋をやっている方に水辺で将棋を打ってみてはと声をかけてみるような、そんな普段水辺に関わりそうになかった方に声をかける取り組みをしています。気をつけているのは、ほかのチームはこんなことをしているのでいっしょに何かやってみませんかとつないでみたり、こんな準備はできていますか、大丈夫ですか、と声をかけるようにしてサポートしていくのがわれわれの仕事ですね。そうすることで今までにない新しい水都ネットワークをつくりたい。テストケースとしてチャレンジしてみたら面白かったね、と広がっていってほしいですね。
ふむふむ。山崎さんの著書「コミュニティデザイン」でも書いておられましたね。
宣伝ありがとうございます(笑)。もうひとつの役割としてはレポーターのチームをつくることです。
市民団体の方にレポーターチームが取材している様子
水都大阪2011のプロセスや会期中の様子を記録して発信してゆく役割なのですが、全6回の養成講座を実施し、情報発信のスキルを身につけてもらっています。例えば船着場でどんなプロジェクトをやろうとしているのか、そのためにどんな準備をしているのか。かえっこバザールというイベントはどんな進捗をやっていて、ということをレポートしてくれる集団なのです。どきどきしながらインタビューしたり写真を撮ったりしている方が30人ぐらいいて、水都に関わるいろんな方々に話を聞いて、blogやtwitter、facebookなどのソーシャルメディアで情報発信しています。そうすることで興味をもってくれる層を増やしています。
水辺に関われば楽しい仲間がみつかり、イベントを上手につくる方法を知ることができそうですね。ところでワークショップってどんなことをするんですか?
やり方はいろいろあるんですが、この後実際に市民団体の方とワークショップをやります。見て行かれますか? うちのスタッフが活躍するところが見れるかも。この部屋だとちまちま書類をつくっているか電話かけているかしかないと思いますし。
ぜひぜひ見せてください!
なんでも知りたがりの狩野哲也が、気になるクリエイターの、クリエイティブが生まれる現場におじゃまするコーナーです。「うちの現場にも来て!」という企業さまも募集中です。
presented by
狩野哲也