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▶la reine Reinette

Une Femme est une Femme|2009.06.12 / Flip



甘すぎず、苦すぎず、柔らかすぎず、堅すぎず、フランス映画に出てくるようなキュートでエスプリのきいた、「小粋であかぬけた女性(ひと)」をイメージしたブランド、la reine Reinette (ラ・レーヌ・レネット)。
プレスの平井裕梨さん(写真左)、デザイン、パターン、縫製を担当するデザイナーの中村陽子さん(写真右)、陽子さんの姉で、アクセサリーと企画担当の中村朋子さん(写真中央)の女性3人によって運営されてるレネットは、年4回のコレクションのほかに、ロンドンのブランド<QUEENS OF SOUNDS>やレコードショップ<disques dessinee>、「女性の永遠のあこがれをかたちにする」レーベル<Loule>などなどとのコラボレーションなど精力的に活動中。昨年末には待望のショップもオープン!とますます活動のフィールドを広げようとする彼女たちに、レネットのお洋服に囲まれながらお話を伺いました。


H:平井裕梨
Y:中村陽子
T:中村朋子
U:underson

U

ラ・レーヌ・レネットを始めたキッカケは?

H

きっかけは私が京都北白川のtrico+(トリコプリュス)で開催されるイベントに参加させて頂くことになり、そこで展示したいものの一つに洋服があり、その製作を同僚の中村に依頼したことがきっかけです。
それから作りたい物はじめ、色々な話を重ねているうちに、
今に繋がるレネットをはじめる事になりました。

U

それはいくつくらいの時なんですか?

H

私が23の時かな

Y

じゃぁ私が24かな

U

すごく若くして立ち上げたんですね。
2006年からお姉さんもアクセサリーで参加されたんですよね

T

もう3年目になるんや〜。早い。

U

もともとアクセサリー作りとかやってたんですか?

T

全然やってませんでした。

H

レネットでアクセサリーもやりたいとずっと思ってて探してたんです。
そしたらこんなに近くにいた!って感じで。
それと洋服とアクセサリーを企画・製作してるところって、
当然両方が合うようにつくると思うんですが、
レネットではそれぞれがつくりたいものを優先させてるのもあって、合わせるのは後なんです。
なのに、姉妹だからか洋服とアクセサリーがすごく合うんです。

T

打ち合わせしたわけでなく「こんなの出来たんだけど」って見せると
この洋服と合う!みたいな

U

姉妹ならではですね

T

気持ち悪がられますけど(笑)


U

レネットという名前にこめられた思いみたいなのは?

H

フランスのリンゴの種類の名前でレネット種というリンゴがあるんです。
そのままで食べるよりも、
タルトなど手を加えることでより美味しくなるリンゴなんです。
そのリンゴのように、ラ・レーヌ・レネットのアイテムも、
身に付けて下さる方の個性が加わる事で完成される……
洋服やアクセサリーだけが主張して先行するのではなく、
着る人に馴染んで、その方のオリジナリティで着て楽しんでもらえる
そういった洋服やアクセサリーをつくることが出来たらと思い名付けました。


U

レネットを知ったのはカフェでやってた展示即売会?みたいなヤツで、そういうスタイルを見るのが初めてで面白いなと思ったんですが、この業界ではよくやってる事なんですか?

H

いえ、珍しいと思います。
展示会というと、バイヤーさんへ向けて開催されるものが多いと思うのですが、
私たちは一般の方にも足を運んでいただけるよう、
個展というコレクション発表のスタイルを取り活動していました。
そういったことから私たちは展示会じゃなく展覧会と呼んでるんですが
スタートした当初は扱ってもらえるお店も少なく、
どうしたらみんなに知ってもらえるかを考えた結果が
展覧会というカタチになって。

U

お店が出来てしまったので、展覧会はもうやらないんですか?

H

やりたいです。少し先になるかもしれませんが、
時期が来てタイミングがあえばやりたいと思っています。
ショップとはまた一味違ったコレクションの見せ方や空間づくりができたら面白いなと思います。

U

お店オープンしてみてどうですか?

H

私たちが感じたことの1つに、思ってる以上にインターネットの力が大きくなっていることを感じました。リアルショップができる前からウェブサイトと展覧会を主軸として活動していたのですが、リアルショップができて、よりウェブサイトの重要性を実感したんです。
ネットでチェックしてからショップに来てくださるとか、
お客様の多くがインターネットをすることが日課になっているとか

Y

昔の、カフェ行ったりいろんな洋服見て回るというスタイルが
ちょっと変わってきてるのかなと思いますね

U

ネットショップのショールーム的なお店って増えてますよね。

H

ウェブサイトを見ていただけることは勿論うれしいのですが、
ファブリックの質感や風合い、パーツのディテール、
そして着用感などにもこだわっているので
ショップに足を運んでいただけたらうれしいです。



U

1人でデザインから縫製までするのってしんどくないですか?

Y

あまりしんどく感じないです。
誰かに頼む場合、自分のイメージを人に伝えるのって難しいし時間もかかるし
それなら伝える手間の時間を制作の時間にあてて全部自分でやった方が
イメージ通りのものに仕上がるので
その方が私には合ってると。

U

服を作る時ってなにかに影響受けます?映画とか

Y

映画はじめ色々なことからインスピレーションを得ます。
その中でも、いろんなファブリックを見て、
この生地ならこういう服が似合いそうとか、
生地からイメージすることの方が多いですね。

U

自分の作りたい服を作ってると思うんですけど、売れる事とか流行とか考えたりします?

Y

最近もそういう話してたんですけど、
流行を追うという考えは中心になくて、
特にデザインに凝った服ではなく、
主張しすぎない服が多いので、着てくれる人によって、
その方の個性を活かせるコーディネートの一部になれたら…
という感じです。
なので、デザイナーとしては失格かもしれませんが、
全身レネットだけでコーディネートして下さい!とも思っていないんです。
そういう部分がベースにあるので、
『売れる服=流行りの服』だとしたら、考えてない方だと思います。


U

カタログとかも自分で作ってるんですよね

H

お恥ずかしいんですけど。出来る範囲で。
グラフィックやウェブは独学の為、基本のデザインができてないので……
周りの方に教えていただきながら作ってます。
「文字ってこういう風につくるんだ」とか基本的なところから……(笑)

U

質を高めたいとか思いますか?

H

思います。せっかくいいもの(洋服とアクセサリー)が出来てるので、
もっと良いカタチでみんなに伝えれたらいいのになぁとは思います。

U

難しいですよね、綺麗な写真で綺麗なデザインのカタログだったら
いいってもんでもないし、今のデザインの感じ、距離感がレネット的でもあるかもしれないし。

H

ワクワクするようなカタログを作りたいことと、
ダイレクトにレネットの世界観を伝えれるイメージづくりができるようにしたいです。
その為に、技術も上げることができたら……と思います。



U

お店をオープンするところまで来たレネットですが、
これからの展望とかあります?

H

あります。アトリエとショップを同じ場所につくりたいです。
アトリエとショップがすぐ傍にあるということは私たちにとっては、
より良いモノ作りができるということだと考えてて。
まず、お客様の反応を、販売している者だけでなく作り手も直接に近い形で感じて知ることが出来るし、ショップとアトリエが直結していると、スタッフ間でのコミュニケーションも計りやすく、スタッフ皆が生産から販売に至る全ての過程を常にダイレクトに把握しておくことができるし。
それらはとても大切な事だから。

U

レネットを大きくしたいとかあるんですか?

H

お店を何店舗もとかはあまり思わないです。
自分たちの手の届く範囲でやっていきたいと今は思ってます。



U

なんかいいですね、3人組感が。僕は1人なんで。

T

互いに頼り合ってるだけですけど(笑)

U

僕も誰かに頼りたいです!

U

最後に宣伝でも

H

今シーズンのテーマは「Pierrot le fou(気狂いピエロ)」。
マリアンヌのようなコケティッシュなマリンルック、
そしてまさにスクリーンに描かれた色彩……、
美しい南仏の太陽と海と光を形にしたようなアクセサリーが並んでいます。
皆様、是非Website、Shopにお立ち寄り下さいませ。




la reine Reinette
大阪市西区南堀江1-16-1 MEBLO16 3F(「A.P.C.大阪店」上となります。)
営業時間: 12:00〜20:00
定休日: 毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は水曜日OPEN、翌日木曜日CLOSE。)
http://www.reinette-web.com/


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ワタクシundersonがちょっと気になるアンチクショウと旨い珈琲でも飲みながら肩肘張らない丸腰放談の中からクリエイティブの薬莢を見いだす針小棒大なコーナー。

Editor/
tsutomu horiguchi
from underson

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