La doice vita The Sweet Life|2009.11.03 / Flip
カッパッパルンパッパなカッパ黄桜のお色気皿を日々の暮らしで使い、これも小島功先生の作家作品だ……などと言ってるワタクシにとって、その道は果てしなく険しい事は承知の介ですが、それでも憧れるスロウライフ、ていねいな暮らし。
職業柄そんな願いも虚しくUrge Overkillでファストライフな日々なわけで、せめて気分だけでもスロウにひたりたいと、10月31日(土)と11月1日(日)の2日間、大阪・堺は 大仙公園にて、陶磁、ガラス、木工、布、染織、和紙、フェルトなど様々なジャンルの作家さん約60名が参加し、つくり手と使い手が直接ふれあいながら思い 出に残る買い物ができる、関西では珍しい大規模なクラフトフェア「灯しびとの集い」が開催とのことで、ちょっと行ってまいりました。
「灯しびとの集い」とは「人々の暮らしに幸せの灯をともす、そんな手作りの道具を多くの人たちに紹介したい」という想いを、古くから堺の街を見守り続けてきた旧堺灯台になぞらえて名付けられたもの。以前から気になってたこの灯台。せっかくなんで今回ついでに見て行こうかとも思いましたが会場からちょっと離れてたので断念。受付に置かれたミニチュアで本日は我慢。
「灯しびとの集い」オリジナルてぬぐい。製作は、ワタクシも立ち上げデザインに関わりました「にじゆら」を製作してるナカニさん。もちろんfrom堺の手仕事。
普段はお店やギャラリーなど室内で見ることが多い器たちも、オープンエアーな太陽のもとでは表情もまた違って見えます。
奈良「いにま陶房」の鈴木智子さんの陶製の小さな家。シンプルで素朴な佇まいは、ちょっとアーミッシュのよう。
同じく奈良から参加の染色作家、米倉洋子さんのマフラー。10年使用してもくたびれたりせず、それどころかますます柔らかに風合いが出るそうな。こんな感じになりますよと見本に置かれたマフラーを手にとると確かにフワフワ。おまけに虫食いやかぎ裂きなんかも治してくれるそう。「気に入ったものはずうっと使いたいですよね」とは、作家さんの言葉。
クラフトだけでなくこだわりのフードも。東京から参加「オカズデザイン」の人気の自家製レモネード。実はこれが目当てだったりして……。「オレンジレモネード」「みかんレモネード」「かぼネード」など数種類ある中、ここはやっぱり本日のスペシャル「灯しびとミックス」で。
前々から行きたいと思ってた東天下茶屋にあります米day no.1(コメディ ナンバーワン)も出店。オーガニック弁当と公園の相性バッチシ。車麩のカツ&もちもちの玄米が美味しゅうございました。ケータリングのほか、オーガニックおせちなどもやってるそう。
コトコトコットンと糸を紡ぐのは、長野からお越しの染色作家、日高雅恵さん。
そんな糸で出来た布たち。揺りかごから墓場まで。糸を紡ぐところから見てると注ぐ愛情もまたひとしおかと。
本日ハ晴天ナリ。11月だというのにもの凄いカンカン照りの灼熱地獄ゆえ、早々に木陰で休憩。仁徳天皇陵のそばにある大仙公園はすこぶる気持ちの良い公園でした。芝生の上から来ているお客さんをウォッチング。「ナチュリラ」「リンネル」「クシュフル」といったいわゆるナチュラルファッション誌に出てくるようなお洋服を身にまとったお洒落婦女子たち、いい物を見極める目を持つであろうご年配の方々、犬の散歩のついでの方、と様々。イベント事の正しい在り方かと。
そんな光景をマイナスイオンに身を委ね眺めていたら、カマキリが空から降ってきてワタクシのジーパンに飛びつき、ジャックと豆の木よろしくワシャワシャと一心不乱によじ上るというほのぼのシーンも。都会では味わえない昆虫とのふれあい。生き物バンザイ!
カマキリさんとお別れし再び灼熱のグランドへ。
スタイリッシュというか造形美というかシンプルな作品が多いだけに、ひときわ目立ってた熊本充子さんの作品。ふた付湯呑み(マトリョーシカ)や小鳥、レンコン、ひょうたんなどの箸置きやブローチが愛い。
朝のカンカン照りから一転、午後より大雨になってしまったのが残念でしたが(雨天決行ゆえ写真をよ〜く見ると地面がぬかるんでます)いろんな作品とその顔が見れてなかなか有意義だったかと。
実のところ作家さんの器とかってあまり興味が無く、ついつい桶やおひつ、キュートなもの、ファニーなもの、すこし変わったフォルムなもの等に目がいってしまうのですが(写真のセレクトにその傾向がモロに……)作り手がそこにいてコミュニケーションを取りながら品定めができる物産展のようなスタイルに野外の開放感もプラスされると、感じ方も違ってくるのねと実感。喰わず嫌いがなおりそうです。
クラフトフェアといえば、長野の「クラフトフェアまつもと」や、もう少しフィールドを拡げた多摩川河川敷の「もみじ市」などが有名ですが、「灯しびとの集い」は今回が第1回目。大阪でこういう規模のクラフトイベントは初ということで、先人イベントに追いつけ追い越せで、末永く続くイベントになるよう願ってやみません。ものづくり万歳!
ワタクシundersonがちょっと気になるアンチクショウと旨い珈琲でも飲みながら肩肘張らない丸腰放談の中からクリエイティブの薬莢を見いだす針小棒大なコーナー。
Editor/
tsutomu horiguchi
from underson
2012.11.20 Tue