opus design - オプスデザイン

▶Rubber Duck Project 2009

|2009.09.21 / Flip


長年、天満〜天満橋界隈に事務所を構えてたワタクシ。そんな庭のように慣れ親しんだ中之島界隈にて8/22から10/12までの52日間開催されている「水都大阪2009」。正直、盛り上がってるとは言えない……というか何やってるか分からない感じで、市長や教授、経済産業省などの名前がツラツラと書かれているイベントゆえさして期待も興味も無かったのですが(ロゴデザインはPictoが製作)ちょっと観たいものがあったので「書を捨てよう、町へ出よう」ならぬ「USBを引きちぎれ、スニーカーを履こう」がモットーのFlipなんで芸術の秋とばかりに観に行って来ました。



バラ園の入り口にて出迎えてくれるのは、淀川テクニック「金チヌ」

彩られる中之島。正直、美大の学園祭風……ここいらの作品にはワタクシのガイガーカウンターは反応しないのですが、そこかしこでやっていたワークショップにてチビッ子が楽しげに色塗ったり何か作ってる様は、なかなかいい光景でした。


現代美術家・ヤノベケンジによる口から火を吐く「ラッキードラゴン」操縦席には「なにわのトらやん」が鎮座。ヤノベケンジ作品は国立国際美術館や市役所(ジャイアント・トらやん)、中之島図書館、京阪電車 なにわ橋駅B1Fコンコース内の「アートエリアB1」などでも展示中。


せっかく水の都に来たんだからと、水都シャトル〜クイーンリバーに乗り込み土佐堀川〜大川クルージングと洒落込む。



あれ?なんか浮いてます



ん?
んん??
あら
あらま!
ひゃ〜〜
いや〜〜ん
あらもう行っちゃうの?
まだ見てる。
あぁ遠ざかっていく……。


そうなんです。この巨大なアヒルちゃんことオランダの若手アーティスト、F・ホフマン(FLORENTIJN HOFMAN)の作品「フローティング・ダック」が観たかったんです。
高さ9.5m、幅9.5m、長さ11mの巨体を水面に身を委ねユラ〜リユラリ。存在だけで日常の空間を非日常にしてしまってます。ホフマンは公共空間で巨大な作品を展示するという活動を行っているアーティストらしく、なんでも現在「日本オランダ年2008-2009」(ディック・ブルーナのオリジナルマークが可愛らしい!)で、その絡みで招聘されたみたい。
水都大阪では川が大きいのとショートホープになる対象物が大きくスケール感がイマイチ分かりづらいのですがコレとか最高。

しかもこの愛らしいアヒルちゃん



このフローティング・ダックは、
政治的意味合いで分割される国境など、
この世に存在しないことを知っています。

そして、このアヒルが持つ、
世界の緊張を和らげる癒しの特性は、
あらゆる世代に優しく、親しみやすく
受け入れられることでしょう。

2007年より、ラバー・ダックは
世界中に浮かべられてきました。
オランダ、フランス、ブラジル、そして日本へ。


The Floating Duck knows the political border doesn't exist around the world.
And the Duck has healing power to relieve world tension.
So people of all generations will accept him gently and friendly.
Since 2007 the Rubber Duck has floated around the world.
It pops up in different countries from France to Brazil and from The Netherlands to Japan.
The Rubber Duck is a project of the Dutch artist Florentijn Hofman,
more information on the duck's travels,
please visit www.florentijnhofman.nl

Rubber Duck Project Websiteより
http://www.namura.cc/ahiru/index.html


なんかretired weaponsを思い出しました。
あのラバーの中にそんな想いが詰められてたとは!
きっとあらゆるボーダーをフラ〜リフラリとビヨンドし、人々の口角をあげる事でしょう。


実はこのアヒル、オランダ〜フランス〜ブラジルなどに登場したのですが、オリジナルが旅をしているのではなく、ホフマンが製作図を描き、それを開催地の工場に発注するらしく、だから今浮いているのもMade in Osaka(Japanかも)なのだとか。
「水都大阪2009」は10/12まで開催されてますが、フローティング・ダックは9/27にて中之島に別れを告げるそう。アヒルの姿が消え日常の風景に戻った時の虚無感、空虚感は凄いでしょうね。
と「さよなら」の舌の根も乾かぬ10/3 16時から10/4 朝5時まで住之江の名村造船所跡地で開催される「NAMURA ART MEETING」に再び登場するそう。見逃した方はコチラにてご対面してください。



フローティング・ダックには満足したのですが「水都大阪2009」。中之島界隈の整備にいくらお金使ったんだろ?と変わりゆく愛すべき中之島界隈に一抹の寂しさを感じたり、 このイベントは今後なににどう繋がっていくのだろう?というか何のためにやっているの?水の都・大阪を世界に発信??規模が大きいだけに何か全体がボヤけてたような気がしましたが、閉塞感甚だしい大阪においては、何もやらないよりも何かやった方がいいんでしょうか? 等といろいろ想いを巡らせましたが、バラ園の薔薇の可憐さに心奪われ全てを忘れ帰ってまいりました。


Relation Link
Rubber Duck Project Website http://www.namura.cc/ahiru/index.html
FLORENTIJN HOFMAN http://www.florentijnhofman.nl
水都大阪2009 http://www.suito-osaka2009.jp/

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ワタクシundersonがちょっと気になるアンチクショウと旨い珈琲でも飲みながら肩肘張らない丸腰放談の中からクリエイティブの薬莢を見いだす針小棒大なコーナー。

Editor/
tsutomu horiguchi
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