Book Like Cook|2008.03.10 / Flip
Flip第2回のお相手はワタクシの中にあるオサレクリエイター像に最も近い存在でありますナイスエディター山村光春さん。雑誌「オリーブ」ライターを経て、2001年主にペーパーメディアの編集・執筆を中心に行う個人事務所「BOOKLUCK」設立。「眺めのいいカフェ」「カフェをはじめたくなる本カフェをやめたくなる本」「SLOW LIFE TRAVELER」「Collectable Picture Book Store」「東欧のかわいいデザインたち」「MAKING TRUCK」「ヨーロッパを旅してしまった猫のはなし」などなど自著、編集した本多数。最近はBOOKLUCK PUBLISHING room名義で「BEAUTIFUL MOMENTS」や「BASE」などリトルプレスも手がける。個人的にはストレートな可愛さの中にどこかしら山村流チェンジアップのきいた思わずニヤリとする箇所を見つけ出すのが楽しみだったりします。undersonも「こどもといっしょに牛乳料理の本」などで一緒にお仕事させていただきました。本日もオシャレモードで登場した山村さんに微睡みの中ちょっと珈琲飲みながらお話伺ってきました。
Y:山村光春さん
U:underson
痩せましたね〜ビリー効果だとか
そうなんですよ!
でもめっちゃ食べてるんですよ。アホほど食べてるんですけど全然太らない。
維持どころか減っていってるくらいで。
筋肉がついて代謝が良くなったんでしょうね
もう本来の目的を通り越して、やらないと気持ち悪いみたいな。
朝起きて本当にもう2秒後にはDVDつけてますから。ほんまに。
朝起きてやる事のルーティーンにはいってるんですよ
正直そういうタイプじゃないと思ってました
そんなタイプじゃ全然なかったんですよ
中学校の時バトミントン部中退ですから。
そっからず〜っと運動なんて全くやってなかったですから
こんな自分がおったなんて!っていう感じですよ
やり始めて8ヶ月くらいかな
でも、全部真剣にやるとしんどいんで、腹筋編とか応用編とかを自分でカスタマイズしてやってるんですよ。マンションの3階で出来ない動きとかもあるし、別に鍛えたいというわけでもないんで。なんとなく自分なりにフィットしたやつってのを決めてやってるんで続いてるのかなぁ
そうそう、ビリーの新しいのが出たみたいで
コストコで売ってたんで思わず買ってしまったんですけど
今度のやつはね、これをこうやったり……
こうやるんですよ
こんな取材でいいんですか?
いいんです(笑)ところでBOOKLUCKってGOOD LUCKの言葉遊びみたいなもんなんですか?
一応3つくらい意味があって
本の運がありますようにという直訳と
スペルはBOOKLUCKのLとRが違ってるんですけど
音だけ聞くとブックラックって本棚って意味じゃないですか
その本棚を埋めるものを作るというイメージ
とグッドラック
でもグッドラックは語呂だけって感じ
屋号を考えるとき
自分の好きな映画の名前をつけようとして
ケン・ローチの「レディーバード・レディーバード」っていう映画があるんですよ。てんとう虫って意味なんですけど。
それがいいのでそれにするって友達とかに言ってて
で、その友人から電話がかかってきた時
「レディーボーデン・レディーボーデンさんですか?」って言われて(笑)
それで嫌になって…絶対嫌やわって思って(笑)
でBOOKLUCKに
2000年かな。ちょうど一番最初に自分の本「眺めのいいカフェ」を出すか出さんかって時、本の仕事をほんとうに本格的にやりたいなって思った時につけたんですよ
不思議な事にこういう名前をつけると
本当にそういうのが転がり込んで来るんやなと思いました。
それからですもん、本の仕事がどんどん入ってきたのって
だから名前って強いなって
みなさんも独立する時はよく考えて名前つけましょうってことですね!で、BOOKLUCKとしてよく「料理をつくるように本をつくる」ってフレーズを使ってると思うんですが
料理と音楽は表現方法としてズルイなぁってず〜っと思ってたんですよ
料理家の友達がいるんですけど
「私の作った料理」っていうだけで
100%みんながテンションあがったりするんですよ
それと料理って誰かに食べさせるっていうこと前提にしてるじゃないですか。こいつは食いしん坊やからちょっと多めに入れたろうとか、塩辛いほうが好きだとか、相手の事を想ってそれが味に出るみたいな。
誰かの為に作って、その人が美味しいと思う事にすごく注力して作ったものって、実は誰もが美味しいと思えるもんなんじゃないかと
本もそういう存在になったらいいなぁって
特定された人たちに贈ってるんですけど
それは1人をず〜っと見続けていることによって
その向こうにある普遍的なメッセージに繋がってるんとちゃうかっていう
僕明日から東京なんですが、やっぱりこういう仕事してると絶対的に東京じゃないですか。山村さんも今は東京を拠点に何かある時に大阪に来るって感じですが、以前は大阪にも居を構え二重生活してましたよね。それをやめたのはやっぱり東京在住の方が仕事がしやすいって感じなんですか?
場所というよりは
往復の生活ってのは善し悪しあって
最初は良かったんですよ。
でも
東京の人は東京にいるもんやと思って
大阪の人は大阪にいるもんやと思っているという事を前提にした生活って
ものすごい色んな所から歪みが生じて
プライベート、仕事かかわらずガッカリ感がもうすごくて…
1週間東京、1週間大阪とかうまいことそのへんのバランス上手くできたら
こんなにいい事はないなって思いました。
すごいおすすめプラン。
その場におってナンボな仕事じゃなかったら可能なんでしょうね
作家さんとか
ウチの場合、その場におったらモアベターな感じかな。でも完全なフリーランスなんでその間作業してくれるアシスタントがいたらなぁ〜とか考えてて、だから今欲しいものは手。
僕が今欲しいものは頭。
自分よりもセンスや能力のある人たちと
同じ土俵で話をする機会がすっごく欲しいんですよ。
で、そっから生まれるもの作りをやりたいなぁって
みんなで集まって「ワ〜イなんか作りましょう!」というより
もうちょっと意識の高いことというか
「てにをは」の所でもっといろいろ言いたいというのがあって
校正さんのアカとは違うレベルの
ココをなんで「て」にしたのか、どうして「を」にしたのか
みたいなレベルで話をしたい
某仕事で編集さんが1字1句あ〜だこ〜だと直してきて
それを納得できないからメールを返すと
また倍くらいのメールが送られてきて
またまた1コ1コに対して「ここを「を」にしたのはこれこれこういう意味で〜」という返事をして
すごい時間かかったんですけど
すっごい面白かったんですね
そういう話ってすっごくクオリティーがあがっていくというよりも
自分の楽しみにも近いというか
こういうものづくりの方法とかやり方の原点って
フェリシモの「dico」なんです。
あれを作ったのがすごい原点になってる
それまでは雑誌の記事とか書いてましたから
本を作るとかあんまし考えたことなかったし
ウチにも見すぎてボロボロになった「dico」あります。
あ〜嬉しいな〜
あれって見開き単位でAtoZなコンテンツがあるんですが
1つ1つの事について、どんだけあ〜だこ〜だ言って作っていったか。
A、B、Cとかアルファベットごとにプロジェクトチームが違ってて
Aのチームであ〜だこ〜だ言いながら何時間もやって、次は違うメンバーのBのチームでまたあ〜だこ〜だ何時間もやるみたいな。
もう本当にタイミング、スタッフ含め全てが奇跡的だったというか
あん時のあの体験っていうのが
今になっては自分の考え方になってるくらい。ルーツ。
こういう後々まで言える仕事
代表作というより自分の中で「これをやりました!」っていうもの堂々と言えるっていいなぁって。
結局、そういう事がしたいのに
出来てないってのがあるんやろうなぁ
山村さんならそのうち又そういう機会に出会えそうな気がします。
今日はありがとうございました!
あ、シャツの粋な着こなし方聞くの忘れてた……。
Relation Link
BOOKLUCK PUBLISHING room http://www.bookluck.jp/
Thanks: prideli graphic lab / iTohen / Naoko Matsui
ワタクシundersonがちょっと気になるアンチクショウと旨い珈琲でも飲みながら肩肘張らない丸腰放談の中からクリエイティブの薬莢を見いだす針小棒大なコーナー。
Editor/
tsutomu horiguchi
from underson
2012.11.20 Tue